そこは皮膚科であり、飲み薬のプロペシアの紹介をネットで掲載していたのだ。
ネットにはプロペシアの効果を絶賛する患者さんの声が載っており、かなり効果があるのだと思った。
さっそく休みを使って電車で一時間かけて、皮膚科に足を運んでみた。
夏ということもあり、多くの患者さんでごった返していた。
ぼくは問診表に、薄毛のことを書き、診察が来るまで待合室で待っていたのだった。
一時間くらい待っていたら診察が始まった。
医師はぼくのアレルギー有無や生活習慣など実に様々なことを尋ねてくる。
初診だから、当然と言えば当然だか、医師が最後に言ったことは、遺伝的なものだから薄毛を防ぐことはできないと言われた。
しかしプロペシアという飲み薬で進行を遅らせることができるというものであった。
髪の毛を増やすのではなく、進行を遅らせるといった言葉にぼくは愕然としてしまった。
進行を遅らせるだけでも希望の光はかすかにあったのだ。
早速、門前の調剤薬局でプロペシアを調剤してもらった。
皮膚科も薬局も保険が使えないので、すべて自筆扱いで、2万円近くの支払いであった。
プロペシアは1日2回の14日分であったのだ。
2週間後に経過観察ということでまた再受診して、2回目は薬を1か月分処方してもらった。