このような状態が1年以上続いただろうか。
髪の毛はあまり変わっていないようだった。
進行を遅らせるということだから、まあそういうことだろう、と鏡を見ながら自分の髪の毛をいじっていた。
定年までには髪がなんとか残っていればいいかな、と願っているが、この薬がよく効くというわけでもなさそうだ。
もし飲んでいなかったら、薄毛は今以上に進んでいたかもしれないということを思案すると、この薬の効果があるのかもしれないと考えている。
今でも月に1回は通っているがお金がもたない。
お小遣いから出費して、足らない分を妻から貰っているので、そろそろやめようかと思っているのだ。
お金を取るか、髪の毛を取るか、難しい局面に立たされているのであった。
天秤にかけたらお金の方に傾いたので、数か月後をめどに診察をしないようにしている。
よく考えるとありのままの自分でいいのかな、と感じ始めている。
自分らしさを強調するうえでも頭の髪はどうでもいいと思っているしだいだ。